井川のメンパは1761年の村の文献からわかるように長いことこの土地で山々の農作業に出かける村人に使われてきたお弁当箱で、民藝品です。地元に自生する良質のヒノキを材料に、桜の皮で縫い合わせ本漆で丹念に塗り上げたものです。特に、海野想次氏の作品の優れたところは、この桜の皮で縫い合わせる本物ということです。この技術は作家亡き今は残念ながら踏襲する作家は居なくなってしまいました。(もしかしたらどこかかろうじていらっしゃるかもしれませんが)現在、井川メンパお弁当箱として売られている殆どは接着剤で、静岡の井川地区で作られてはいないようです。こちらは正真正銘の海野想次氏作です。漆の鏡面のように磨かれています。実家の蔵にありましたが、使っておらず綺麗なままです。中に栞があり、詳しい説明やメンパの素晴らしさも記載されています。既にいくつか持っているため、こちらを出品します。想次氏の作品だと思うと手元に置きたいのですが、どなたか大切にしてくださる方に使って頂ける方が作家も嬉しいのでは、と思いました。なぜかこのお弁当箱は普段のおかずでも開けた時に本当に美味しそうに見えます。汁気の多いものは難しいですが、大抵のものは詰められます。見た目の良さは食欲も増します。サイズ： 大、14センチ✖️6センチ 小、12センチ✖️6センチ使わない時は入れ子になります。その際は手作り品のため多少がたがたしながら入れます。